<![CDATA[TAK-Circulator Corporation - 細菌叢ブログ]]>Tue, 17 Nov 2020 11:31:53 +0900Weebly<![CDATA[細菌に関する基礎知識 第1回「細菌叢とは」]]>Mon, 16 Nov 2020 15:00:00 GMThttp://tak-circ.com/blog/201116​ 私たちは細菌と共に暮らしています。常に体内の決まった部位に存在している細菌を「常在細菌叢」と呼びます。細菌といえば食中毒や腐敗、感染症などの言葉と一緒によく耳にすることから、悪いイメージがもたれていることが多いです。しかし、私たちの生活や身体にとって良い働きをする細菌も多く存在しています。私たちが普段から口にする味噌や醤油、チーズなどの発酵食品の生産現場においても細菌は多く活用されています。細菌は私たちにとって身近な生き物なのです。​
​​ 私たちの腸内には数百種もの細菌が生息しており、「腸内細菌叢」や「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内フローラとは、多種多様な腸内細菌が腸で生息している様子が、花畑(フローラ)のようであることからこう呼ばれるようになりました。「常在細菌叢」でもっとも盛んに研究がおこなわれているのは、この腸内フローラについてです。この腸内フローラは、ビタミンなどの栄養素を合成して宿主に供給したり、免疫系を活性化させたり、発がん性物質を分解させたりと積極的に宿主に働きかけています。また、腸内フローラのバランスの崩れが肥満や生活習慣病である2型糖尿病の発症に関係していることがわかってきています。実験動物を用いた研究では、腸内フローラの異常によって肝臓がんや自閉症といった病気が引き起こされることが示されています。腸内フローラと健康の関係は現在脚光を浴びている分野であり、腸内フローラの改善を通じた病気の治療や予防、生活習慣病の改善が期待されており、腸内フローラの改善をテーマにした食品などが市販され、様々なメディアでも取り上げられるようになっています。
 
  細菌は、腸内だけではなく、口腔内や皮膚など私たちの身体の至るところに住み着いています。皮膚や毛穴にも非常に多くの細菌が生息しており、この皮膚にいる細菌は「皮膚細菌叢」と呼ばれています。細菌は1-10μm(マイクロメートル 1μm=0.001mm)ほどの大きさであり、私たちの目では見えません。しかし、ヒトの身体にいる細菌の数は膨大であり、腸内には100兆個、皮膚には1兆個以上が生息しているといわれています。ヒトの身体が約37兆個の細胞でできていることからも、いかに多くの細菌が身体に住み着いているかがわかります。
 
 この「皮膚細菌叢」についても研究が始まり、皮膚や身体の健康状態と関わっていることが明らかとなってきています。「皮膚細菌叢」は、病原性の細菌が皮膚に取り付いて増殖することを防ぐため、抗菌作用をもつ物質を生産して、病原菌から私たちの身体を守っています。また、「皮膚細菌叢」は皮膚に弱酸性の環境を作り出したり、保水成分を産生したり、皮膚上にできてしまった活性酸素や過酸化脂質を分解するなど、皮膚の環境を整える上でも積極的な役割を果たしています(図1)。通常、「皮膚細菌叢」は一定の状態に保たれていますが、何らかの影響でこの「皮膚細菌叢」を構成する細菌の種類や数が大きく変わると、皮膚のトラブルが起こりやすくなります。例えば、抗生物質の継続的な使用により「皮膚細菌叢」のバランスが崩れてしまうと、その抗生物質に耐性を持った細菌が異常繁殖して炎症を引き起こすこともあります。弊社の研究から「皮膚細菌叢」が乾燥肌や脂性肌、敏感肌などの肌質と関連していることや、シワやシミの多い肌や老化の進んだ肌で多く見られる細菌がいることがわかってきています。皮膚の状態と「皮膚細菌叢」は密接に関係しており、美しい肌を長く保つ上でも「皮膚細菌叢」に着目することが重要です。「皮膚細菌叢」の様子を調べて、その人に合ったオーダーメードの肌ケアを選択するという時代がすぐそこまで来ているのです。
  図1                               
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